ミルガウスは、ロレックスの耐磁時計です。
高い磁気の環境においても使用できるような時計として、人気を博してきました。
今回の記事では、そんなミルガウスの特徴や、値段の推移についてもお話ししていきます。
□ミルガウスとはどんな時計?他のものと何が違うの?
ミルはフランス語で1000のことを指します。
1000分の1メートルが「ミリ」メートルと呼ばれるのと同じ語源です。
「ガウス」というと、天才数学者としてご存知の方もいらっしゃると思いますが、このガウスは彼の名前から取られた磁気速度の単位です。
つまり、ミルガウスというのは「1000ガウスの磁気に耐えられる時計」という意味です。
現在は携帯電話やタブレット端末、パソコンなど、磁気を発する電子機器が身近にあることが当たり前です。
ただし、ミルガウスが発売された1950年代ごろにはそのようなものはなく、磁気対策と言われてもピンとこないという人が大勢いました。
そのため、ミルガウスの販売数は伸び悩み、80年代後半に1度生産を中止しました。
ところが、携帯電話やパソコンなどの電子機器の普及で、磁気の対策は腕時計の必須要素になっていきました。
特に磁気を帯びやすかったパーツがヒゲゼンマイです。
ゼンマイが磁気を帯びると、時計の動きが狂い、正確な時を刻めなくなってしまいます。
これを改良するため、多くの時計メーカーは、ヒゲゼンマイに金属ではなくシリコンを採用しました。
現在は、多くの腕時計がシリコン製のゼンマイを使用しています。
ロレックスはシリコンを用いず、合金でできたパラクロムを採用しました。
これにより、見た目の美しさを保ちながら、耐磁性能も維持できるようになったのです。
ところで、「1000ガウスに耐える」と言われてもあまりピンとこない人がほとんどだと思います。
私たちの身近なものから磁気は発生していますが、電話や電動シェーバーは50ガウス、大型のスピーカーが100ガウスほどと言われています。
磁気つきの絆創膏やネックレスが1000ガウスと言われ、普段使用するものではトップクラスに高い磁気を持ちます。
つまり、1000ガウスに耐えるというのは、「日常のほとんどの磁気に耐えうる時計」であることの証明なのです。
□ミルガウスは廃盤になるのか?
ミルガウスを唯一無二の時計にしているのは、なんと言ってもその耐磁性です。
ところが、発売から時間が経ち、ミルガウスも「過去の時計」だと厳しく評価するコレクターも多くなりました。
これは、ロレックス以外のブランドが遥かに高い耐磁性を実現した時計を販売するようになったためです。
例えば、ロレックスと同じく高級時計ブランドであるオメガの機械式時計は、今や15000ガウスに耐えるのが標準的な仕様になっています。
また、ロレックスもオメガと同等とされる耐磁性を誇り、厳しい基準をクリアしてマスタークロノメーターの認定を受けたブラックベイを販売しています。
そのため、ミルガウスが廃盤になるのか、それとも性能を上げて復活するのかに非常に注目が集まっています。
そういった意味では、ホットなモデルであると言えるでしょう。
□ミルガウスの価格推移についてご説明します!
ミルガウスはホットな時計なので、2022年現在、価格は上昇傾向にあります。
2014年に発売されたミルガウスの「116400GV」のZブルーは、非常に高い評価を得ており、ミルガウスの中でも人気なモデルです。
従来は70万円ほどで取引されていたのが、コロナ禍の供給不足で高値で取引されるようになり、2021年には相場が100万円を超え、180万円近くまで値段が上がったこともあります。
その後値段は少し落ち着き、6月ごろからは120万から140万円の間で推移しています。
新作が発表されれば相場はさらに上昇すると考えられます。
同じ「116400GV」のブラックも目が離せないモデルです。
発売当時は180万円、リーマンショックが起こって買取相場は4分の1まで下がりましたが、2020年代に入って50万、60万と値を上げていき、100万円を超えるまでになりました。
元々ブルーが主流で買取価格が高かったのが、ここ数年でブラックの人気が非常に高まったため、ここまでの価格高騰に繋がったと言われています。
現在の取引相場は100万円以上で推移していますが、こちらも新作の発表で更に上昇する可能性があります。
ミルガウスは新作発表時のマイナーチェンジがほとんどされないため、価格が急上昇したり急降下したりすることはあまりありません。
もちろん経済状況や供給量によって価格が変わることもありますが、他のモデルに比べれば比較的安定していると言えます。
そのため、投資には向いていないと言われていることもありますが、逆に言えば、価値を下げることもあまりないので、資産として購入するのに向いています。
□まとめ
ロレックスのミルガウスについて説明してきました。
廃盤となるのか、それともリニューアルするのか、今後の動向からも目が離せません。
ロレックスの買取、ご購入をお考えの方は、当店へお越しください。